妄想ガールの王子様

春田くんに連れられてバスに乗る。

「あの……。どこに行くの?」

「まだ秘密!」

春田くんはいたずらっ子のように笑ってわたしを見る。

眼鏡の奥の茶色の瞳が甘く細められて。

わたしの胸はドキンと鳴った。

さっき会ったばっかりであまり話もしていないのにいきなり二人でバスに乗っている。

まさか変なところに連れて行かれないよね……。

バスの路線内ならとりあえず大丈夫かな……?

わたしは突然の展開に落ち着こうとこっそり深呼吸をした。