その日の夜音愛は山南の部屋に訪れた。

「音愛です」

「どうぞ」

戸を開けると机に向かっている山南がいた。


「山南さん…」

「はい…?」

「なんで監察に行かないんですか?」

「貴女に何がわかるんですか!」

「えっ…」

「私は用無しなんですよ!」

「そんなことはありません。皆、山南さんをお慕いしています」

「こんな傷がなければ…!」

「私が治します」

「えっ…!?」

山南がきょとんとして振り向いた。

「どういう事ですか?」

「そこにいてくれたら良いです」