それから一ヶ月の間は何も手につかなかった。 日乃の顔が頭に浮かぶ。 「日乃....」 何もしなければ泣いてしまいそうだった。 前まで一緒に行っていた団子屋にも行かなくなった。 「あの頃の笑はなんだったんだよ」 浮かぶのは彼女の顔だけ、あの頃の君。 「なんで....」 「何でだよ....」 日々回路が止まりそうになる。 監察なんて忘れてしまうほどだった。