「世界中にはまだ日本人がいると思うけど……でなきゃコイツが最後の純粋な日本人になっちゃうんだな」
聖人は梓の膨らんだお腹を見つめる。
梓のお腹の中には、あの日の聖人の子供が宿っていた。
妊娠が発覚してすぐに、両親に叱られたけれど、それこそ最後の日本人になってしまうかもしれない子供を、梓は絶対に中絶することは出来なかった。
最初は反対した父も、今では応援してくれていて、慣れないアメリカで仕事をしながら、梓のことを養ってくれている。
それに対して聖人は負い目に思っているらしいが、梓としては聖人にはちゃんと医者になってもらいたいのだ。
実はアメリカ政府から、梓は生活を保障してもらっているから、お金の心配はない。
それでも聖人にとっては、自分が守ってやりたいという気持ちが強いのである。
「俺ももうすぐオヤジかぁ……。イマイチ英語分かんないけど、早く仕事を始めなきゃ、オヤジがプー太郎じゃ、コイツも安心して生まれてこれないよな」
聖人は梓のお腹を撫でる。
「まだそんなこと言ってる。うちのお父さんがちゃんと養ってくれるって言ってるんだから、聖人はちゃんと大学に進学してお医者様になってよ。ね?」
「でもさぁ……」
「でもじゃない! ちゃんとお父様とお兄様の後を継ぐこと。いいわね」
梓はキッと睨んだ後で、すぐに満面の笑みを浮かべる。
「はいはい」
聖人はそんな梓を抱き寄せ、そして二人は甘い口付けを交わした。
絶滅危惧種『ヒト』 完
聖人は梓の膨らんだお腹を見つめる。
梓のお腹の中には、あの日の聖人の子供が宿っていた。
妊娠が発覚してすぐに、両親に叱られたけれど、それこそ最後の日本人になってしまうかもしれない子供を、梓は絶対に中絶することは出来なかった。
最初は反対した父も、今では応援してくれていて、慣れないアメリカで仕事をしながら、梓のことを養ってくれている。
それに対して聖人は負い目に思っているらしいが、梓としては聖人にはちゃんと医者になってもらいたいのだ。
実はアメリカ政府から、梓は生活を保障してもらっているから、お金の心配はない。
それでも聖人にとっては、自分が守ってやりたいという気持ちが強いのである。
「俺ももうすぐオヤジかぁ……。イマイチ英語分かんないけど、早く仕事を始めなきゃ、オヤジがプー太郎じゃ、コイツも安心して生まれてこれないよな」
聖人は梓のお腹を撫でる。
「まだそんなこと言ってる。うちのお父さんがちゃんと養ってくれるって言ってるんだから、聖人はちゃんと大学に進学してお医者様になってよ。ね?」
「でもさぁ……」
「でもじゃない! ちゃんとお父様とお兄様の後を継ぐこと。いいわね」
梓はキッと睨んだ後で、すぐに満面の笑みを浮かべる。
「はいはい」
聖人はそんな梓を抱き寄せ、そして二人は甘い口付けを交わした。
絶滅危惧種『ヒト』 完

