絶滅危惧種『ヒト』

メールが送られ、すぐに返信が返ってくる。


《これでWHOだけでなく、ホワイトハウスも動いてくれれば、人類は救われるはずだ。ただ……》


ブライアンが綾乃と梓に視線を向ける。


おそらく日本人は助かるまい……。


そう思ったけれど、もちろんそれを口に出すことは出来なかった。


ただ、勘の良い綾乃は、ブランドンの言いかけた言葉を、すぐに察した。


《ねぇ、でも、南極まで行って帰って来るまでは時間がかかるのよね》


《そうだな……。おそらく船で二週間くらいじゃないか?》



《でも、緊急事態なんだ。少しくらい危険でも、ヘリを出すんじゃないかな?》


ケビンが口を挟む。


《ところで、南極のどこの氷か分かるの?》


《どこって?》


綾乃の問いに、ケビンは口ごもった。


《だから日本の観測隊員が、どこの氷を採取したのか分かるの?》


《それは……》


《南極の全ての氷に、細菌がいるとは限らないんじゃないの?》


《確かに……》


ブライアンが頷く。


《そういえば、最初に感染した彼女の叔父さんと、一緒に帰ってきた観測隊員たちは、死んでないらしいから、彼らなら知っているかも》


《そうか。そうだな》


ブライアンはすぐにその情報を、メールで送信した。