絶滅危惧種『ヒト』

《とにかくWHO本部に伝えなければ》


聖人たちが出て行くと同時に、ブライアンが立ち上がる。


ブライアンは自分の荷物の中から携帯電話を取り出した。

日本国内からでも、海外への電話は可能なのだが、電話がまったく繋がらない。


《チッ》


ブライアンは舌打ちした。


《事態が事態だけに、みんなが使用していて混線しているみたいね》


綾乃が梓の電話も繋がりづらかったことを踏まえて、ブライアンにそう言った。


《参ったな》


ブライアンが首を振る。


《そうだ! ネット回線は使えるんじゃないのか?》


ケビンが口を挟んだ。


《おお、そうだな》


《どこかにネット回線の繋がったパソコンはないのか?》


ケビンは部屋の中を見回した。


《あれは?》


アレックスが部屋の隅にあるパソコンを指差す。


《やってみよう》


電源ボタンは世界共通である。ブライアンはパソコンの電源ボタンを押して起動させた。


病院の場合、個人情報を流出させない為にネットに繋げていない、院内LANと、ネット回線に繋げているLANの二種類がある。


立ち上がったパソコンのインターネットエクスプローラーを起動させると、検索エンジンの画面に変わった。


《おっ、どうやら繋がったな》


ブライアンが立ち上げたパソコンは、通常のネット回線に繋がったものだった。