絶滅危惧種『ヒト』

「ねぇ、どういう状況なの?」


聖人が母に聞く。それに対して綾乃が状況を説明した。


「そうか……。じゃあうちに氷を取りに行かなきゃ」


「ええ、そうね」


「自転車で二時間近くかかるけど、今からすぐに行ってくるよ」


「お願い」


綾乃が聖人に頼む。


「俺のバイクを使うかい?」


彰洋がバイクのキーを、ポケットから取り出す。


「いや、免許を持ってませんので」


聖人は手を前で広げた。


「じゃあ一緒に行こうか」


「え?」


「二人乗りで行こう」


「えっ、でも、ニケツって法律違反ですよね?」


「それはそうだが、こんな状況じゃ仕方ないんじゃないかね?」


「そ、それは、まぁ……」


「よし、じゃあ行こう」


「はい」


聖人と彰洋が二人で出て行く。


梓はその姿を見送りながら、彼氏と父が意気投合していることが嬉しかった。