絶滅危惧種『ヒト』

「酷いな……」


代々木公園を目指して歩き始めた三人は、至る所で発病者が倒れているのを目の当たりにした。


「どうなっちゃうの? 日本は……」


梓が泣きそうに顔を歪める。


「日本だけじゃないよ。おそらく世界中で発病者は出てるはず」


「そんな……」


「兄ちゃんが言ってた通りだとすると、北極圏や南極に住んでる人以外は、みんな死んじゃうんじゃないかな」


「何とかならないのかな?」


「そうだな……。やっぱり細菌を殺す方法がない限り、どうすることも出来ないと思う」


「そっか……」


梓は目を伏せた。



「後は共存出来るように免疫力をあげるか……」


「えっ、それはどういうこと?」


「つまり……細菌は殺せないけど、発病しないように身体の免疫力をあげて、細菌と共存するってことさ」


「共存?」


「うん。例えば花粉症に対しての花粉みたいに、細菌自体は街中に溢れてるけど、免疫力をあげて発病しないようにするってこと。

細菌が死なないなら、人間がそれに耐えられるように進化するしかないだろ」


「そんなこと出来るのかな?」



「さぁ……でも出来なきゃ人類は絶滅する……」


聖人が真面目な顔で梓を見つめた。