絶滅危惧種『ヒト』

ゲームセンターを出て駅を目指して歩き始めた三人は、すぐに呆然として立ち尽くした。


街中のいたるところに人が倒れているのだ。


その数は10人や20人どころではない。


「マジかよ……」


聖人は言葉を失った。


「どうするの?」


梓に聞かれたけど、聖人だってどうすれば良いのか分からない。


「兄ちゃんにれんら……」


聖人はハッとして母の顔を見る。


目と目が合った。


あの日の感染者が、一斉に発病をしたのなら、直樹も今頃発病しているかもしれない。


聖人は携帯電話を取り出して、兄に電話をかけたが、電源が入っていないというガイダンスが流れるばかりだった。


「とにかく家に帰ろう」


「そうね」


綾乃は息子の提案に頷くと、駅を目指して歩き始めた。


ある程度パンデミックは予想してはいたが、いざ始まってみると不安で押し潰されそうになる。

さっきから震えが止まらなかった。

自然と駅を目指して歩く速度が早くなっていく。


そして渋谷駅に到着すると、そこは地獄絵図だった。