絶滅危惧種『ヒト』

「これってどうやるの?」


ゲームセンターに着くと、綾乃は真っ先にプリクラの機械の所にやって来て、目を輝かせる。


梓はそんな綾乃を見て、微笑ましく思った。


世間一般では、嫁姑って仲が悪いってきくけど、聖人のお母さんとは何だか上手くやっていけそうな気がする。


お金を入れてポーズをとっているときだった。



「きゃぁあああああああ」


すぐ近くで女の子の悲鳴が上がった。


三人は慌てて声のしたほうに近寄る。


そこに倒れている女の子と、その前に跪いて震えている女の子がいた。


「どうした!」


聖人が駆け寄って、そして眉を歪める。


「聖人?」


不安げに問いかけた梓に向かって、聖人は首を横に振った。


「もしかして……」


「ああ、発病してる」


「誰か救急車!」


すぐ隣でゲームセンターの店員が叫んだ。



「出よう」


聖人は立ち上がって梓のもとに戻ると、二人を促がした。


「ちょっと待ちなさい」


先に出て行こうとする聖人を綾乃が呼び止める。


「何だよ?」


「まだプリクラを撮ってないじゃない」


「ちょ、そんなのどうでも良いじゃないか」


「良くないわよ」


「あのなぁ母さん。ここにも発病者が出たんだぞ。のんきにプリクラ」
「もう今更でしょ?」


「え?」


「私たちはすでに感染してるか、ワクチンが効いてるかのどっちかなんだから、今更ジタバタしなくても良いでしょう」


「それは……」


「ほら、早くプリクラを撮るわよ」


綾乃に促がされて、聖人と梓は顔を見合わせた。