絶滅危惧種『ヒト』

「実はな……あの日東城医大病院にいたと思われる人間が、あちこちで発病した」


「なっ……マジか?」


「ああ、新幹線の中やら、都内の満員電車の中やら、もう無茶苦茶だよ。こうなったら抑えきれない」



「そんな……」


「それにな……国内だけじゃないんだ」


「え?」


「アメリカの空港で、同様の症状を発症して倒れた日本人がいると連絡が入ってる」


「パンデミック……」


「ああ、国はその可能性が高まったと判断した。すぐに非常事態宣言が発令されるだろう」


「そうか……」


「直樹、今からそっちに行っていいか?」


「ああ、待ってる」


直樹はそう言って電話を切った。