他人に彼氏の話をされるのが苦手だ。
こういう時はすぐ話題を変えたくなる。
「美優さんもいるんじゃないですか?」
こんなに綺麗な人なんだもの、いて当然だよね。
だが、美優さんの表情は一気に曇ってしまった。
やば…聞いちゃまずかったのかな!?
「今はいないよぉ、最近はすぐ別れてばっかりで…」
「そうなんですか…」
それ以上あたしは何も聞けなかった。
やばいなぁ…
なんか悪いこと聞いちゃったみたい。
きまづい空気が休憩室に漂う。
すると、美優さんが静かに口を開いた。
「…忘れられない人がいるんだよね」
「忘れられない人?」
「うん。もう5年くらい経つんだけどさ、色んな人と付き合ってもやっぱだめなの。あの人じゃなきゃ…」



