そう言って顔を近づけてくる。


「ちょ…ここ病院っ…」


「大丈夫、誰も入ってこねーよ」


あたしの腰に手をあて、自分の方に引き寄せてくる。

よろめいてベッドの上に膝をついてしまった。


「まだ治ってないのにっ」


「もう治ってる」


その瞬間、温かい唇が重なり合った。

久しぶりでドキドキが止まらない。


唇が離れると、恥ずかしくなってとっさに下を向いた。



「…治ってるなんて嘘でしょ…完治までしばらくかかるのに…」


「だってそう言わねーとさせてくんないじゃん」


いつも陸さんの方が一枚上手で、ちょっと悔しくなる。


「あ、そういやさ…」


そう言って引出しの中から手紙らしきものを取り出した。


「何…それ」


「美優から」


「え!?」