「こっわぁー」
その声にギロリと睨むと視線を逸らされた。
「はぁ…毎回毎回思うけど、入院生活楽しそうだね」
少し嫌味っぽく言ってしまった。
「あー悪くねーな~」
…はぁ!?
「そりゃ悪い気しないよね!?あんだけちやほやされたらっ」
「ここでずっと世話なってるから付き合ってやってるだけだろ?そういうことも大事じゃん」
「とか何とか言って…チョー楽しそうに見えますけど?」
買ってきたジュースを陸さんに渡そうと手を伸ばしたら、その手を掴まれた。
ドキっとして陸さんの顔を見ると、にやけている。
「な…なに!?」
「奈緒のそーいうヤキモチ焼いてる顔、嫌いじゃねーよ?」
「え!?」
「だから入院すんのも悪くねーなって思った」



