「…っ…」
少し苦しそうにしながらも眉間が動いた。
「どうしようっ苦しいの!?」
「な…お?」
愛おしい人の声―――
うっすらと目を開けてこちらを見ている。
「陸さんっわかる!?奈緒だよ!」
「ん…わかる…」
「ちょっと待ってね、今誰か呼ぶからっ」
そう言って立ち上がったあたしの手を、ぎゅっとにぎり返してきた。
「いい…大丈夫だから…」
「で、でもっ…」
「もーちょいここにいて…」
その言葉に、あたしはもう一度椅子に座った。
「無理しないで…意識取り戻したばっかなんだから…」
「俺…どんくらい寝てたの」
「2日…あたし…陸さんがいなくなったらどうしようって…」
堪えてた涙が溢れた。



