乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



「…っ…」


少し苦しそうにしながらも眉間が動いた。


「どうしようっ苦しいの!?」


「な…お?」


愛おしい人の声―――


うっすらと目を開けてこちらを見ている。


「陸さんっわかる!?奈緒だよ!」


「ん…わかる…」


「ちょっと待ってね、今誰か呼ぶからっ」


そう言って立ち上がったあたしの手を、ぎゅっとにぎり返してきた。



「いい…大丈夫だから…」


「で、でもっ…」


「もーちょいここにいて…」


その言葉に、あたしはもう一度椅子に座った。


「無理しないで…意識取り戻したばっかなんだから…」


「俺…どんくらい寝てたの」


「2日…あたし…陸さんがいなくなったらどうしようって…」


堪えてた涙が溢れた。