そこには昨日と同じように眠っている陸さんがいた。
「…あの…陸さんは…」
「朝に意識を取り戻したんですけどね、今は眠っているようです。先生のお話ですと、もう大丈夫だそうですよ、そばにいらっしゃれば目を覚ますと思いますので…何かありましたら呼んでください」
看護士さんは画面を見ながら確認すると、笑顔で病室を出て行った。
「…陸さん…」
呼んでも返事はない。
大丈夫と言われても、目を開けてくれないと安心できない。
あたしは陸さんの手をぎゅっと握った。
「陸さん、あたし強くなるから…例えこの先、また何かあっても、陸さんの言葉しか信じない。だから…お願いだから…」
その時、一瞬指がピクっと動いた。
「陸さんっ!」



