乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



その時、携帯が鳴った。


病院からだった。


『久米総合病院です。藤沢奈緒さんの携帯でよろしかったでしょうか?』


「はいっ!!あのっ陸さんはっ…」


心臓が今までにないくらいドキドキしていた。

手はもちろん、体も震えている。


『先ほど意識を取り戻しました!』


「本当ですか!?今向かってます!」



あたしは電話を切ると、無我夢中で走った。


陸さんが…


陸さんが頑張ってくれた!


大通りに出ると急いでタクシーを拾い、病院へ向かった。





病室の前に行くと、美優さんの姿はまだなかった。


美優さんにも病院から連絡いってるはずだよね…



「あ!藤沢さんっこちらですっ」


ちょうど廊下に出てきた看護士さんに病室の中へと、案内された。