その時、携帯が鳴った。
病院からだった。
『久米総合病院です。藤沢奈緒さんの携帯でよろしかったでしょうか?』
「はいっ!!あのっ陸さんはっ…」
心臓が今までにないくらいドキドキしていた。
手はもちろん、体も震えている。
『先ほど意識を取り戻しました!』
「本当ですか!?今向かってます!」
あたしは電話を切ると、無我夢中で走った。
陸さんが…
陸さんが頑張ってくれた!
大通りに出ると急いでタクシーを拾い、病院へ向かった。
病室の前に行くと、美優さんの姿はまだなかった。
美優さんにも病院から連絡いってるはずだよね…
「あ!藤沢さんっこちらですっ」
ちょうど廊下に出てきた看護士さんに病室の中へと、案内された。



