ぷつりと何かが切れたように、涙が出てくる。
こんなに大声を出して泣いたのはいつぶりだろう。
しばらく看護士さんが宥めてくれて、あたしは落ち着きを取り戻した。
治療室の中に入ると、陸さんの姿が見えた。
沢山のチューブに繋がれていて、痛々しい姿だった。
「陸さんっ…」
そう呼びかけても、もちろん返事はない。
「死んだらだめだよっ…絶対だめだよ…」
目を開けない。
笑わない。
返事もしない。
あたしがこんな風に側で泣いたら、いつもぎゅって抱きしめてくれてた。
“こんな事くらいで泣くんじゃねーよ”って
頭をポンポンって、撫でてくれてた。
なのに、今は何もしてくれない。
こんなに泣いてるのに、なにも…。



