乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



「危険な状態なのには変わりありません、2.3日が山だと思っててください」


隣で美優さんが肩を震わせ、静かに泣いている。


あたしは自分の心臓の音が耳に鳴り響いていてうるさかった。


「意識を取り戻しましたらこちらから連絡させていただきますので、お二人は一度帰宅して下さい。お二人の体調も心配ですから…」


そう言って、医者は軽く頭を下げると、病室を出て行った。


それに続いてあたしは病室を飛び出すと、治療室へ向かった。


「藤沢さんっ走らないでくださいっ」


近くにいた看護士に止められたが、そんな事耳に入ってきやしない。



「陸さんにっ…陸さんに会わせてくださいっ」


「落ち着いて下さい!」


取り乱しているあたしの体を、しっかりと押さえつける看護士さんの前で、あたしは大泣きした。