美優さんは今日あった事をすべて話してくれた。
陸さんが美優さんに自分の気持ちを伝えに行ったという事を。
この前海で言っていた、ケリをつけるってこの事だったんだ。
そして、自殺しようとした美優さんの包丁を奪い合いして、刺してしまった事も話してくれた。
彼女は時折震えながら、小さく何度も謝ってきた。
「美優さん…こういう事、もう二度としないでください」
「うん…。陸さ、刺されてるのにあたしに“簡単に命捨てるな”って震える声で言ってきて…」
「陸さんは美優さんに生きててほしいんです!」
「ん…」
「この陸さんの行為を…絶対無駄にしないでください。本当に申し訳ないと思ってるのなら、もう変な事考えないで!死んだら…やり直しなんてできないんです…」
美優さんは静かに頷き、涙を見せた。



