「あたし…最悪だよね、陸さんの事勘繰って、そういうことするなんて…」


すると、突然陸さんが肩を抱いてきた。


「陸さんっ…」


顔をあげると、落ち込んだような表情をしていて。


「はぁ…つーか、俺なんつーことお前にさせてたんだよ…」


そう独り言のようにつぶやくと、少し体を離した。


「一人で店に来たのか?」


「う…ううん…康大が付いてきてくれて…」


「は、またあいつかよ」


ガクンと勢いよく項垂れた。



「まぁ、でもお前一人じゃなくてよかった。あの辺は色々とあぶねーし、あいつがいてくれた方が安心だな」


「…あたしの事軽蔑してない…?」


「…するわけねーだろっ…俺もお前に嘘ついてたんだし」


そう言って、再びあたしを抱き寄せる。

陸さんの香りに包まれた。