フッと笑うと、あたしを見つめた。


「お前の事となると、俺ってかっこわりーだろ?」


陸さん…だから元カノだってことを隠してたの…?


「しかもあいつの言いなりってわけじゃねーけど、頼みごとされて。奈緒に俺と関係があったって事を言わない代わりに、あいつが働いてる店で働いてくれっつわれてさ」


「それって…」


「そう。居酒屋って言ってたけど。本当はキャバクラで黒服として働いてた。…ごめんな、嘘ついて」



切なそうに見つめる陸さんの瞳はまっすぐで、あたしは見ていられなくなった。

あたしも言わなきゃいけない事がある。



「あたし…陸さんがキャバクラで働いてた事も知ってた」


「え…」


「部屋にあったスーツから陸さんの名刺が落ちて…それでお店まで調べに行ったの…」


怖くて上を向けない。

陸さんはなんて言うんだろう…