横でハハッと笑っている陸さんに、続けて言った。
「ここに連れてくるように言ったのも陸さんなの?」
「うん」
「なんで!?ここは陸さんとの想い出が多いとこなのに…来ただけで胸が締め付けられる思いしたんだよ!?」
「ずるいよな、俺も。…それ狙ってた」
「え!?」
「てっきり奈緒はあいつに気があるのかと思ってたから。だから別れたいんだと思ったし」
「…そんなことないっ…」
「俺ってさ、自分に自信ねーんだなぁって改めて思った。今まで色んな事やってきたせいで、社会には認められねーし、全然自慢できる彼氏じゃねーだろ?こんな奴捨てられて当たり前だしな」
どうしてそんな風に思うんだろう。陸さんはちゃんと立派に生きてるのに。



