「康大、わりぃな…」
めずらしく陸さんがそう謝ると、康大はキョトンとした顔で陸さんを見た。
「そんな!謝んないでくださいよ。二人がうまくいってくれればいーっすわ」
そう言って後ろを向き、「バイバイ」と手を振って帰って行った。
康大が帰った後は、すごく静まり返っていて、何を話したらいいのかわからない。
陸さんが康大に頼んだことだったなんて…
すると、その場にストンと座り込んだ。
「お前も座れよ」
そう言われたので、隣に座ってみる。
夕日が海に反射していて、すごく眩しかった。
「俺さ、お前の事となるとかっこわりーわ、すんごく」
「…え?」
「あいつに協力してもらおーなんて、情けねーべ?」
「てか、陸さんが康大に会いに行ったのには驚いたんだけど…」



