「そんなわけ…ないじゃないっすか。俺は最初からわかってましたよ?藤沢は彼氏さんしか見えてないって」
「康大…」
「でも藤沢の気持ちわかってても、もしかしたらって思いがどっかにあって、ちゃんと確かめたかった。だから今日このチャンスくれた彼氏さんに感謝してます」
そう言って康大は大きく伸びた。
「さぁーーーーーて!俺はもういいっすよね!?あとは二人でやっちゃって下さいよ!」
豪快に笑うと、砂の上に置いていた鞄を拾い上げ、砂をほろった。
「こ、康大っ…」
あたしが呼び止めると、「ん?」といつもの笑顔を返してくれた。
「ありがとう…本当に」
「いや?なんか2人見てるともどかしくてさ!まぁ、俺のせいでごたごたなっちまったってのもあるし…気にすんな。俺もすっきりしたし」



