乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



康大はしばらくあたしを見つめた後、フッと笑い、俯いた。


「やっぱりダメか…」


「え?」


「ちょっと待ってな」


そう言い、ポケットから携帯を取り出して誰かに電話し始めた。


こんな時に…なんで!?


もしかして…


あたしからかわれてた!?


コソコソと誰かと話し、康大は電話を切った。



「あのさ…康大、あたしの事からかってる?」


「え?…いや、からかってねーよ、本気。本気だから俺はこの話にのったんだ」


「話にのった?」


「もうちょい待てばわかる」


不審に思いながらもその場で待っていると、遠くから人が歩ってくるのが見えた。


「…誰?」


そう言った瞬間、胸がドキンと高鳴った。

そう、あたしの視線の先には、陸さんがいたから。