「そ。なんかあったんだろ?」
ドキっとした。
ああ、またあたし顔に出てたんだ…
「ほら、俺しかいねーんだから叫べよ」
最初は躊躇していたが、周りを見回して思いっきり息を吸い込んだ。
「あーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
意外にもあたしの声は波の音に消されて周りには聞こえていないようだ。
そして、言った後こんなにもスッキリするものなのかと驚く。
「な!?なんか厄が飛んでったべ!?」
「厄って…厄払いじゃないんだから」
フフッと笑ったが、ホントに心の中のモヤモヤが吹っ飛んでいったような気がする。
「そんな顏させてんの、俺のせいなのかと思ったらさ…俺もいたたまれなくて」
「え?」



