乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



康大は靴を脱いで、波打ち際ではしゃいでいる。


まるで子供のように無邪気な顔をして。


あたしが近くまで行くと、康大はあたしの隣に座った。



「ここさ、昔から好きな場所なんだよ」


「そうなんだ」


「うん。なんか辛いこととか、嫌な事あったとき、ここで思いっきり叫ぶ」


「叫ぶの?なんて?」


「“あーーーーーー!”とか、“ぐあーーーーー!”とか適当」


その答えに、思わず笑ってしまった。



「笑うなよ!叫ぶとマジで元気でんだよ」


「そうなの?」


「そうそう、ただし人いねーときな、恥ずかしいから」


そう言って周りをきょろきょろと見回す。


「お、今日人いねーからイケっかも」


「やるの!?」


「ああ、お前がな」


「え!あたし!?」