壁越しのアルカロイド



「人生長い訳だしさ。」

唇が離れても腕を回したままで翔が言った。

「梨奈も相変わらずお子様だし、俺的には大学ぐらいまで待ってやろうと思ってたんだけど。」

梨奈はポカンとアホみたいに口を開けている。

「誰に吹き込まれたか知らないけど、梨奈がそうくるなら、手加減無しでいいよね?」

なんだか良く分からないが、全力で手加減してほしい気がした。

「俺、一回枷が外れたら止まりそうもないし。」

いや、いや止まろう。一旦止まろう。と梨奈はブンブン首を振る。

一歩下がった梨奈をこれ以上行かせないとばかりにグイッと翔の腕に力が入った。

また近付いて来た魅力的な唇に、梨奈はあわてて尋ねる。

「翔っ、待って翔!」

「んー?」



「私達って、…付き合ってるの?!」


「…むしろ、俺と付き合わずして、誰と付き合うっていうの?」




彼女の返事を待たず、彼は再度そのうるさい唇を塞いだのだった。






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