白いジャージとオレンジジュース






「私のひいおじいさんは、戦争で右手を失いました」


俺が教えていた生徒が話し始めた。



ずいぶん、大人になった。


恥ずかしがり屋で人前で話すのが苦手な子だったのに。



堂々と話していた。





「命があっただけ幸せだ、といつも言っていたそうです。ひいおじいさんの兄弟や友達は、戦争で命を落としました。生きて帰ってきても、辛いことばかり思い出して、眠れなかったそうです。戦争で何があったのか、ひいおじいさんは話そうとしませんでした。話すことができないくらい、悲しいことがたくさんあったんだと思います」





卒業生は、手を震わせ、泣き出してしまった。




隣にいたもうひとりの卒業生が肩を抱いて、座らせた。