「ゆっくりでいいと思う。徳田さんは先生に話せたことでかなり楽になってるもん。焦らなくて大丈夫だよ」
「そうかな。うん。わかった」
星空を眺めたくて、ベランダに出た。
暖かい空気が体にまとわりついてくる。
「夏だな」
「そうだね」
俺は目を閉じた。
思い出すのは、直とのあの夏。
「夏休みの前だったよね。私が倒れたのって。先生に見とれてて、クラクラしちゃったんだぁ~」
直も同じことを思い出していた。
「そうだな。寝言で俺のことを呼んでいる直を見ていると、何とも言えない気持ちになった」
「ふふふふ」
あの頃と同じ笑顔で笑う直。

