「辛い想いをしてきたんだな」



俺がそう言うと、徳田が大声で泣き出した。


子供のようにワーンワーンと泣き出した。


俺は椅子にかけてあったタオルを手渡した。




それしかできなかった。






「よく頑張ったな」




泣き終えた徳田の頭に手を乗せた。





「お前の悩みに気付いてやれなくて悪かった。気付いて欲しかったんじゃないのか?」



「ごめんなさい、先生」



「話を聞くことしかできないけど、話して楽になるなら話して欲しい」