カーテンを開けると、オレンジ色の夕焼け空が見えた。
体育教官室から見えるあのオレンジと同じ色。
「ふふ。懐かしい色だな」
「うん。懐かしい」
その夜、晩御飯を食べている時のこと。
「うわっ!オレンジジュースこぼした!!」
大きな声を出す先生。
その隣で空がケラケラ笑っていた。
空が、テーブルの上のオレンジジュースをこぼしたんだ。
「直と空は、そっくりだな!直もオレンジジュースこぼすの好きだもんな」
私は、先生の机にオレンジジュースをこぼした。
そこから、恋が動き出した。
成長した空にいつか話そう。
私達の素敵な思い出を。
あのドキドキした、キラキラした日々のことを。
「ママ、パッパ~パッパ~」
パチパチと手を叩きながら私と先生の顔を見る空。
ママ、パパ、大好き!
そう言ってくれているんだよね。