「もう昼食べたのか?」



「はい。パンかじってきました」



「足りるのかぁ?食堂で定食でも食えばいいのに」





俺がそう言うと、へへへとかわいく笑った。





「小遣い少ないんでね」





中庭から聞こえる生徒達の騒ぐ声。



窓から入ってくる秋の風。






本題に入るのが怖くて、体育祭の話をしてみたり。



そんな俺の様子を見て、大和が切り出した。






「聞いたんですか?斉藤先生から」





真剣な表情の大和を見て、俺は胸が痛んだ。





少しだけ望みを持っていた。



犯人は大和じゃないんじゃないかと。



斉藤先生の勘違いじゃないだろうかと。