少し冷静になって気づく。 私は傷つけられたことを傷つけることで返したんだ。 人の弱さを受け止められるほど大きな人間じゃない。 弱い自分への自己嫌悪。 「…夜会まで、」 「え?」 「夜会までに自分の置かれた状況を把握します。だからそれまで、」 「…」 「それまで待っていただけないですか?」 ラウ様はただ頷いた。 それからすぐに部屋を出ていくラウ様。