腑に落ちないままラニア様と別れる



"分かったら、私の元へおいでなさい"


と、謎ばかりを私に残して…







「ラニア様の元へ行くのなら、私に声を掛けて下さいね。」


「え、あはい…」


部屋に戻る途中、ラウ様にそう声を掛けられとっさに返事をする





「あ、お花…」


行きに通った庭に差し掛かり、ラウ様の言葉を思い出す



「あ、そうでした。こちらです。」


廊下をそれて、庭に降りる



進むラウ様に続き歩んでいく



周りに咲き誇る色とりどりの花たち。本当は、もっとじっくり見ていたい。けれどここは自分ひとりでも来れるのでぐっと堪える。



「ここです」



着いたのは薬草を栽培しているらしいグリーンハウスよりも数段小さく古びた温室だった。




「もっと綺麗で大きいものをイメージしてました?」


顔に出ていたのだろう。笑いを堪えながらラウ様に聞かれる。