「ねぇねぇ

龍凰って――知ってる?」


それは巷(ちまた)でよくなされる会話

町を歩けば1日に1度は聞くから
結局のところ知らないヤツなんていないのだろう




「みんなちょー格好いいって!!!
一回で良いから幹部の誰かに抱かれたーい」


「そうするとー、胡陽様?」


特攻隊長錦胡陽(にしきこよう)


「成之様とか?参謀ってエスキャラっぽい気がする」


「やっぱり時代はS彼ですか~?」


参謀八城成之(やしろなりゆき)


「可愛いキャラも抜かせないわよ?」


「ああ琥亜くん?」


情報担当百敷琥亜(ももしきこあ)


「でも副総長の樹杜様とかー」


「あの優しさで包まれたーーーい」


副総長冠城樹杜(かぶらぎいつと)


「でもやっぱり龍希様ぁ~
見たことある?すっごく格好いいの!!!」


「硬派って噂なんだけど~」


「それがさらに格好いい」


「ただ、余り町には来ないよね」


「その謎に包まれた感じがぁ…堪らないっ!!!」


総長市之瀬龍希(いちのせりゅうき)





幹部5人が率いる
全部で50人にも満たないが
日本一を誇る暴走族――




――――それが龍凰