『ねぇ、退いてくれない? 動けないじゃない』 彼女はほっそりとしていた。 腕を掴めば骨に触れるし 腰回りもとてつもなく小さく感じる 目には光がなく闇ばかりを映し出している 「うるせぇ!だまってろ」 自分の首を強く絞められ刃物をあてがわれてもピクリとも動かない 弱さを見せないのだ 『退けっつってんのが、、、わかんねーのか?』 誰も動かなかった。否、動けなかった 凄まじい程の殺気に当てられた彼らは、一瞬存在を忘れていた狼に捕らえられる