卑怯な私





どうして?



どうして優希は私から…………



私から大事なものを奪って行くの?



翔樹も友情も家族も。



優希と出会ったから私の家族はこんな目にあったんだ。



家族がこんな目にあったのは優希のせいじゃない。



それは分かってるけど誰かのせいにしていないと自分を保っていられなかった。




「触らないで!」



優希の手を振り払い、翔樹に抱きついた。



「止めてよ。気安く私に触らないでよ」



「え・・・・・・?」



「もう帰って______・・・・・・」


「優希、悪いけど・・・・・・」



「あ、じゃあ・・・・・・またね」



そうやって、翔樹の命令なら従うんだ。



「優子、休んだ方がいいんじゃねぇの?」


「そうだな」



遊人の案で、2人の力で立ち上がらされた。



「優子、歩けるか?」


「・・・・・・・・」


「訳ないか・・・・・。俺が運ぶ。翔樹はこっち頼むよ」


「あぁ、優子のこと頼む」




遊人に御姫様だっこされ、自分の部屋に戻った。