「おい、待て!」
「翔樹!」
反射的に追いかけようとする翔樹を止めた。
「え・・・・・?」
「あ・・・・・・・、何でもない」
よく考えれば、犯人を捕まえる方が先だよね。
震える手で自分の身体を抱きしめたままリビングの方に歩み寄った。
「優子、待って!!」
翔樹の止める声は既に時遅し。
リビングの光景を見て言葉を失った。
リビングは惨状の上、血だらけになって倒れている両親。
嘘・・・・・・
「パパ・・・・・・?ママ・・・・・?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
返事してよ。
いつもみたいに笑ってよ。
『優子』って呼んでよ。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


