卑怯な私





「・・・・・・ん!」



力強く口を塞がれ、頭に衝撃が走った。



「大声出すなよ。出したら殺す」



ドスの利いた低い声。



恐怖を通り越して、絶望を感じた。



もうダメだ・・・・・・



私はコイツの玩具になるんだ・・・・・・



「優子!?」



________!?



リビングから息の切らした翔樹が現れた。



翔樹・・・・・・・・



翔樹の登場に、また涙が溢れ出た。



「さっき警察に電話した」


「チッ」



舌打ちだけをすると、慌てて出て行ってしまった。