卑怯な私





29歳という年齢でこの町に戻って来た。



早かったようで遅かった気がする。



数えれる程しか離れてなかったんだもん。



早かった方だよね。



真っ白なユリとピンクのカスミソウの花束が右側で揺れている。



ジャリ_____



石と石の間にヒールが呑み込まれていく。



完全に呑み込まれる前にヒールを引き上げる。



コツコツ______



足場がよくなり歩くスピードがさっきよりも早くなる。



辺りは石ばかり。



初めて、だったね。



パパとママのお墓に来るの。



寂しかったよね、辛かったよね。



ごめんね、パパ、ママ。



でももうそんな想いさせないから。