卑怯な私





シーン・・・・と私達を静寂が包む。



そんな静寂に口を開いたのは遊人だった。



「どこ行こうとしてたわけ?」



遊人の質問に首だけを横に振る。



「それすら教えてくれないのか?」



違う。



違うの。



「行き場所なんて、決めてない・・・・・・」



言い終えて直ぐに口を押さえた。



翔樹の手に力が抜けた。



それを肩で感じると、背中を丸めて俯いた。