日菜の拓海に対する警戒レベルが前よりもちょっぴり下がっている気がした。
ジリッジリッジリッ・・・
夏の虫。
忙しく走る車。
夏の匂い。
左側からする柔軟剤の香り。
全てが鮮明。
全てが現実。
「俺本気だよ。まぁ、こんなこと言われても困るだけだと思うけど。」
拓海はそう言い終わると空に向かってあははっと笑った。
その笑顔は何処か苦しそうに見える。
「・・・・・。」
『俺、羽根川さんが好き。』
拓海の言葉は冗談でもドッキリでもなくからったわけでもなく
紛れもない事実だ。
拓海の表情から、これは嘘ではないんだと感じた。
嘘だと決め付けてはいけないような気がした。
