~こんにちは 独占王子&麗しのシンデレラ~


いま、俺は叫びたい。
亜弥南は、どこだぁーーー!



亜弥南がいない。
それは、イコールして、
戦う気力がなくなるに等しい。




こんなときにあいつ…
せっかく決勝まで我慢してんのに。
なんで、決勝にもこないかな~




[タッタッタッタッタ…]



よく覚えてる…この音。
亜弥南の走る音だ。
それと同時に聞こえる
微かな息切れの声。
愛しい君の、声。




観客席につくと、
亜弥南は、真っ先に手をあげた。




あれは…お守り?
あんなに沢山…俺のために?
よっしゃぃ!!
やってやろうじゃねぇか!



ヤル気が出なくて
とられ続けた点数も
いっきに奪い返す。



亜弥南は、やっぱり、
ひたすら祈ってる。




俺は、ひたすら打ち続けた。
勝ったけど…疲れた。



でも、疲れてない。
そう体に言い聞かせ、俺は走る。
どこまでも続く君への道を。



いつか見た。
君に思いを告げたあの日と同じように。
でも、今は違う。
走る道も風景も同じ。
でも違う。