「…どないしたん、阪本くん?」
「…………。名残惜しいなあ…思て。」
「……え。」
じわり、じわりと…阪本くんは、近づいてきて。
私の腕を…掴む。
ゆっくりと…顔が。近づいていく…………。
『ええか、日向!ヤツの顔が近づいてきたらなあ、お前はナニも考えんと…、とにかく、動くな!何もするな!余計なことはせんでええ!』
この前、由良が言っていた言葉を……
思い出す。
何も、考えず……
動かず………。
「「…………。」」
……なのに…、
ぽわんと頭に浮かんだのは……
やっぱり……アイツの顔。
すぐ近くで息遣いを感じたその瞬間に……、
私は、両手で阪本くんの胸を…つき返した。
「………!……ご、ごめん、つい……。」
また…、やってしもうた…。
「……。こっちこそ……。あせってごめん。」
「…………。」
焦る……?
「ごめんな、つい手が……。ゆっくりでええんよ、本当は。なのに…何でやろな?なかなか距離縮まらんから……焦ってんのかも。」
「阪本くん……。」
「余裕ないな、やっぱり…由良がおるせいやろなあ……。」
「………。」
「………。そんなん顔…せんでよ。どついて貰った方がなんぼホッとするやろ……。」
「…………。」
「……じゃあ…、今度こそ…、行くわ。」
「…うん。」
「とりあえず、補習頑張れ。」
「…うん。」
「…………ホラ、笑って笑って!大丈夫だから!」
また、大丈夫言うた…。
「笑わんとチュウするで。」
「………えと…。」
「冗談やって。ほな…、またな!」
「……うん…、また…!」
私になりかわって、にこりと笑う阪本くんに対して……、
罪悪感が…込み上げてくる。
近づいたような、遠退いたかのような……
微妙な距離。
進展しているかと聞かれたら……
NO。
ましては……
なんと、花火大会すらご一緒できん。
その日が誕生日だ、などとは……
言える雰囲気でもなく。
夏休み……、
二大カップルイベントを、この度……
一人で過ごすことになりましたとさ。
「…………。名残惜しいなあ…思て。」
「……え。」
じわり、じわりと…阪本くんは、近づいてきて。
私の腕を…掴む。
ゆっくりと…顔が。近づいていく…………。
『ええか、日向!ヤツの顔が近づいてきたらなあ、お前はナニも考えんと…、とにかく、動くな!何もするな!余計なことはせんでええ!』
この前、由良が言っていた言葉を……
思い出す。
何も、考えず……
動かず………。
「「…………。」」
……なのに…、
ぽわんと頭に浮かんだのは……
やっぱり……アイツの顔。
すぐ近くで息遣いを感じたその瞬間に……、
私は、両手で阪本くんの胸を…つき返した。
「………!……ご、ごめん、つい……。」
また…、やってしもうた…。
「……。こっちこそ……。あせってごめん。」
「…………。」
焦る……?
「ごめんな、つい手が……。ゆっくりでええんよ、本当は。なのに…何でやろな?なかなか距離縮まらんから……焦ってんのかも。」
「阪本くん……。」
「余裕ないな、やっぱり…由良がおるせいやろなあ……。」
「………。」
「………。そんなん顔…せんでよ。どついて貰った方がなんぼホッとするやろ……。」
「…………。」
「……じゃあ…、今度こそ…、行くわ。」
「…うん。」
「とりあえず、補習頑張れ。」
「…うん。」
「…………ホラ、笑って笑って!大丈夫だから!」
また、大丈夫言うた…。
「笑わんとチュウするで。」
「………えと…。」
「冗談やって。ほな…、またな!」
「……うん…、また…!」
私になりかわって、にこりと笑う阪本くんに対して……、
罪悪感が…込み上げてくる。
近づいたような、遠退いたかのような……
微妙な距離。
進展しているかと聞かれたら……
NO。
ましては……
なんと、花火大会すらご一緒できん。
その日が誕生日だ、などとは……
言える雰囲気でもなく。
夏休み……、
二大カップルイベントを、この度……
一人で過ごすことになりましたとさ。


