毎日こうも顔を合わしていたから、変な感じや。




……張り合いないのー……。









けれど、実は………、






私…ひとつだけヤツに嘘ついてもうた。





本当はな……、



本当は私……。









「……日向さん、どうした?ぼーっとして。」



「あ…、ゴメン。何の話やったっけ。」



しもたわ…、折角今日は阪本くんと一緒に帰ってるのに。



「…………。いや、夏休み…日向さんはどうするんかな…思て。」






そう、実は私達、



花火はおろか……



夏休みの計画など、一切立てておらんかったのです。




ごめんな、由良…。


見栄張りたかったんよ。





でも、この話の流れはもしかして……!



花火大会やもん♪


カップルが一緒に行かんこと…ないっしょ。





「そや、阪本くん。花火大会の日は何しとんの?」



「俺?行くで?」


そうやろ、そうやろ?





「……中学ん時の友達と一緒に。」




……………。




「え。」



「毎年恒例やねん。日向さんもクラスの奴らと行くんやろ?小林が言っとった。」



「…………。」



「……日向さん?」



「…………。…そ、…そうやねん、実は……。」



「そうかぁ、俺もすぐ実家に帰るから…あまり会えへんなあ。」



「……。実家……?」



「あ。言うてへんかったけ?俺、元々はサッカー部の推薦でこっちに来たんよ。今下宿してんのやけど、サッカーもすぐやめてもーたから、親には迷惑かけっぱなし。お盆くらいは帰らんとなー。」



「…………。」



そういや……、由良情報で元サッカー部やて聞いてたわ。



下宿してる話も小耳に挟んどったし……。





「…そしたら、電話する。ラインいっぱいとばすし。」



「うん、私もいっぱいメールするわ。」



「携帯ちゃんと持ち歩いとき?ただでさえ不精やもんなあ…。離れてる時、連絡繋がらんと心配やし。」



「ん、わかった。」




「…じゃあ…、ここで。また連絡する。」



「……うん。」



「「……………。」」




分かれ道。



うちらはいつもここで…バイバイする。




けれど、おかしなことに……



阪本くんは、そこに留まって…動かない。