ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)

「お前が急に変な態度とるから…、ちょっと意地悪したっただけやん。」



「………………。」




「……泣くな、このボケぇ。」



由良のゴツゴツとした手が……


私の頭をぐしゃぐしゃに掻き乱す。




「……仲直りしたいならもっと早う言わんかい。」



「……うっ……」


「泣くのか?また泣く気か…?!」


「ううっ……」


「ヤメロ。俺は女の涙に弱いねん。知っててやってんのか。」



「う~…………」



「わかったわかった、……ごめんて!」



「……………。」



「泣くとかって…どんだけやってん……。…ごめん。本当……、ごめん!」






同じ目の高さ。


くっきりとした由良の二重まぶたが、ぶっさいくなパグの泣き顔を…しっかりと捕えておった。



背のびせんでも、


真っ直ぐ真っ直ぐ…ちゃんと素直に気持ちを言えば、




ちゃんと……受けとめてくれるんやな…。








アンタが困ってる顔……、初めて見たで。



案外女に翻弄されるタイプやったんか……?








「……なあ、日向。」



「……ん、なに…。」




「知っとったか。俺らさっきからすごい注目されとんのやけど。」



「………。」



「…俺……、悪者?みたいな感じ。」



「……申し訳ない。」



「しゃーないなあ、早う泣き止めや。」



「涙腺緩まるとなかなか止まらんねん。普段泣かん分だけ…。ここぞとばかりに流れおる。」



「…………。しゃーないな。付き合うたるから…せめて場所移動しよ。」



「………。授業始まるで。」


「けど、そんな顔で戻ったら…またみんなに突っ込まれるで。ええやん、次数学やし。」



「真面目っ子がサボったらアカンやろ。」



「ひとつサボったくらいじゃどうにもならんて。でも…、お前はちゃうわな。……どうする?」



「…………。」





由良は、ニヤリと笑って。




究極の選択肢を…与えてくる。




「………。戻りたくない。」



「そっか。ほんなら……、行くでっ。」





由良は…躊躇なく私の手をとって。


早足で…廊下を歩いていく。




「由良、……手っ…!」




何しとんねん!




「友達やもん、えーやんそんくらい。ちっちゃいこと気にすんな。」