「お前が急に変な態度とるから…、ちょっと意地悪したっただけやん。」
「………………。」
「……泣くな、このボケぇ。」
由良のゴツゴツとした手が……
私の頭をぐしゃぐしゃに掻き乱す。
「……仲直りしたいならもっと早う言わんかい。」
「……うっ……」
「泣くのか?また泣く気か…?!」
「ううっ……」
「ヤメロ。俺は女の涙に弱いねん。知っててやってんのか。」
「う~…………」
「わかったわかった、……ごめんて!」
「……………。」
「泣くとかって…どんだけやってん……。…ごめん。本当……、ごめん!」
同じ目の高さ。
くっきりとした由良の二重まぶたが、ぶっさいくなパグの泣き顔を…しっかりと捕えておった。
背のびせんでも、
真っ直ぐ真っ直ぐ…ちゃんと素直に気持ちを言えば、
ちゃんと……受けとめてくれるんやな…。
アンタが困ってる顔……、初めて見たで。
案外女に翻弄されるタイプやったんか……?
「……なあ、日向。」
「……ん、なに…。」
「知っとったか。俺らさっきからすごい注目されとんのやけど。」
「………。」
「…俺……、悪者?みたいな感じ。」
「……申し訳ない。」
「しゃーないなあ、早う泣き止めや。」
「涙腺緩まるとなかなか止まらんねん。普段泣かん分だけ…。ここぞとばかりに流れおる。」
「…………。しゃーないな。付き合うたるから…せめて場所移動しよ。」
「………。授業始まるで。」
「けど、そんな顔で戻ったら…またみんなに突っ込まれるで。ええやん、次数学やし。」
「真面目っ子がサボったらアカンやろ。」
「ひとつサボったくらいじゃどうにもならんて。でも…、お前はちゃうわな。……どうする?」
「…………。」
由良は、ニヤリと笑って。
究極の選択肢を…与えてくる。
「………。戻りたくない。」
「そっか。ほんなら……、行くでっ。」
由良は…躊躇なく私の手をとって。
早足で…廊下を歩いていく。
「由良、……手っ…!」
何しとんねん!
「友達やもん、えーやんそんくらい。ちっちゃいこと気にすんな。」
「………………。」
「……泣くな、このボケぇ。」
由良のゴツゴツとした手が……
私の頭をぐしゃぐしゃに掻き乱す。
「……仲直りしたいならもっと早う言わんかい。」
「……うっ……」
「泣くのか?また泣く気か…?!」
「ううっ……」
「ヤメロ。俺は女の涙に弱いねん。知っててやってんのか。」
「う~…………」
「わかったわかった、……ごめんて!」
「……………。」
「泣くとかって…どんだけやってん……。…ごめん。本当……、ごめん!」
同じ目の高さ。
くっきりとした由良の二重まぶたが、ぶっさいくなパグの泣き顔を…しっかりと捕えておった。
背のびせんでも、
真っ直ぐ真っ直ぐ…ちゃんと素直に気持ちを言えば、
ちゃんと……受けとめてくれるんやな…。
アンタが困ってる顔……、初めて見たで。
案外女に翻弄されるタイプやったんか……?
「……なあ、日向。」
「……ん、なに…。」
「知っとったか。俺らさっきからすごい注目されとんのやけど。」
「………。」
「…俺……、悪者?みたいな感じ。」
「……申し訳ない。」
「しゃーないなあ、早う泣き止めや。」
「涙腺緩まるとなかなか止まらんねん。普段泣かん分だけ…。ここぞとばかりに流れおる。」
「…………。しゃーないな。付き合うたるから…せめて場所移動しよ。」
「………。授業始まるで。」
「けど、そんな顔で戻ったら…またみんなに突っ込まれるで。ええやん、次数学やし。」
「真面目っ子がサボったらアカンやろ。」
「ひとつサボったくらいじゃどうにもならんて。でも…、お前はちゃうわな。……どうする?」
「…………。」
由良は、ニヤリと笑って。
究極の選択肢を…与えてくる。
「………。戻りたくない。」
「そっか。ほんなら……、行くでっ。」
由良は…躊躇なく私の手をとって。
早足で…廊下を歩いていく。
「由良、……手っ…!」
何しとんねん!
「友達やもん、えーやんそんくらい。ちっちゃいこと気にすんな。」


