ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)










「……ちょ…、大丈夫?どうしたっ小夏……。」




「……おや?おかしいな。なんやねん……。」




涙が…ぽろぽろと出て来よる。







ヤバイと思て後ろを向くけれど……。



既に気づかれてしまったんか、次第に…周囲がざわついていく。




「泣いてる……。」

「狂犬が泣いとるで。」






失礼やなぁ…。


涙する乙女にそりゃないで。





「秋大、お前またなんかひどいこと言うたんやろ。」


「何でやねん!話してもおらんやないかい!」




だからなあ、それが原因なんやで、由良。


鈍感大賞てモンあったら、アンタ間違いなく…優勝しとるわ。






「…狂犬泣かせられんの、由良くんくらいしかおらんやろ?」




細谷くん……。


すごいなぁ。珍しく的を得たで。

アンタこそ、大賞…、いや、大将や!
(注:イメージはハダカの大将)





「…悪いなぁ、細谷くん。おにぎりもう食べてもうたんよ。あげられんで、ごめんなぁ……。」



さぞかし……


欲しかったろうに…!!!








ピロリン…♪




「…ん?」



スマフォが…


なってる。




私はソレをスカートのポケットから取り出して……、



画面を確認する。





「…………!」





『何で泣いてる』




ライン……。






「なんや、お前彼女にメールしとんのか~?」


「せや、ラブラブやもん。」





送り主は……、

由良……。



何で?何で、口利かんとこんなん送ってくるんよ……?



ピロリン♪




『話聞いてほしーか』





「………。あほー……。しゃべった方が早いやろ……。」





くるり、と…由良の方へと振り返ると。




奴はちっとも…見向きもしない。


その代わりに、



「ちょっとトイレ行ってくるわ。連れションしたい奴は来てもええで~。」


そう言って、ちゃっちゃと…教室を出て行った。







「……………。」




つまり……、



私に連れションしろ、と……?




ウチらのやりとりなど誰も気づくことなく、


また、ざわざわと…賑わい始める。




「小夏…、大丈…」

「……大丈夫。ちと、トイレに行ってくるわ。」



「……。え、連れション?」



「…ちゃうわ…。」