ばたばたと廊下を走って……、
この上ないくらいに全力で走って。
教室の扉を……ガラリと、開く。
昼食を終えた室内では……、
何やら男女入り混じりながら輪を作って。ワイワイと…盛り上がっている。
輪を外れた所で話を聞いてるアキラへと…近づく。
「お帰りー、小夏。」
「ただいま~。…ね、なになに?なんでこんなん盛り上がってる訳?」
男子の輪の中心には……由良。
「ああ、なんか由良くんが花火大会で暇な人集まろうって計画立ててくれとるみたいで……。クラス親睦も兼ねて?」
「………。へぇ~。根っからのお祭り男やなあ…。」
由良って、いつもこんなん感じやねんな。
誰とでも簡単に友達になって……
その…中心にいる。
「関根~、お前も行こ?」
「………。」
ひとりぽつんとした人にも、ちゃあんと気をまわしてる。
思えば、由良にしたら……
私も、そう見えとったんかなあ……。
「……いく!」
席に座ったまま、関根くんは目を…輝かせた。
由良の笑顔に…、みんな、つられていく。
「アキラも行くん?」
「せっかくだし行くで?」
「ほな私も…」
「いやいや、小夏何言うとんの?あんたは、いてるから…ダメやろ。」
「………?」
「一緒に行くんやろ~、阪本くんと。」
「……そんな話してないで?」
「え。」
「そういや…、秋大、企画すんのはいいけどお前彼女持ちやろ?どうするん?」
「…彼女も一緒に参加すんで。話したら快~くオッケーしてくれたし。」
「ええ彼女やなぁ…。こんなんのどこがええんか、香澄ちゃん。」
「コラ。全部に決まっとるやろ!」
「こいつのろけおったわ~!やだやだ、リア充~♪」
「……。うざ……。」
「何やと、こらぁ!!」
………。何アレ。
しょーもないこと言い合ってるし。
でも……、
ええなあ、こういうの。
由良がわろて……
クラスのみんなが笑う。
少し前は。
私もこうやって…
大口開けて笑っとったんやけどなあ………。


